第1回 福山建築文化セミナー開催
盛況のうちに終了いたしました。
福山はもとより広島、岡山からも多数のご来場ありがとうございました。

講師に国際的な舞台で注目を集める建築家石上純也氏を迎え、新たな建築の可能性について実作を通じて最近の試みを紹介するとともに、建築写真家上野時生氏が「ふだん着の建築家」というテーマで、戦後の建築界に光をあてた建築家たち/白井晟一、堀口捨己、吉田五十八、佐藤武夫、吉阪隆正、前川国男、村野藤吾、浦辺鎮太郎、イサム・ノグチらとの思い出を語りました。

第1回福山建築文化セミナー(広島地域会福山部会)
 2007年2月10日(土)  ウェルサンピア福山にて、中国電力主催による第1回福山築文化セミナー(JIA/CPDプログラム認定講演会)が開催された
。 講師に国際的な舞台で注目を集める建築家石上純也氏を迎え、「自作について」というテーマで新たな建築の可能性について実作を通じて最近の試みを紹介するとともに、四国の建築文化とともに歩んできた建築写真家上野時生氏が「ふだん着の建築家」というテーマで、戦後の建築界に光をあてた建築家たちとの思い出を語った。現在を原点として建築の未来と過去を展望するようなテーマに、会場には定員を大きく上回る聴講者がつめかけ140席を埋め尽くした。中国電力による主催者プレゼンテーション「オール電化施設レポート〜採用事例からのご提案〜」が行われた後、二人の講師の講演が行われた。

 石上氏は2005年に手がけたミラノサローネでレクサスのデザインフィロソフィーを伝えるアートエキシビジョン「LEXSUS L-fineness」の会場構成、「キリンアートプロジェクト2005」にて出展した「table」などの実作をスライドで紹介。霧に満たされたレクサスアートエキシビジョンの写真が映し出されて行くたびに、まるでひんやりとしたミストがスクリーンからこぼれ出てくるような感覚さえおぼえ、セミナー会場は一気に石上ワールドに包まれて行った。「table」は天板の自重や積載荷重を綿密に解析して最終結果としてフラットに保つプロセスをわかりやすく解説し、計算され尽くした自然体とでも言うような不思議な重力感を披露。現在進行中のプロジェクトとしては「神奈川工科大学工房」、東京電力が主催し実施するプロジェクト「tepco 住宅プロジェクト」などの紹介がされた。すべての作品に共通してスタディーからフィニッシュまで一貫しているスタイルは次世代の建築のあり方を示唆するもので、独自の視点におおいに刺激をうけることとなった。

 上野氏は白井晟一、堀口捨己、吉田五十八、佐藤武夫、吉阪隆正、前川国男、村野藤吾、浦辺鎮太郎、イサム・ノグチらとの思い出を歴史の語り部として伝えた。写真家として日本の建築史を代表する建築家たちと接してきた目線での数々のエピソードは、それぞれの建築家をひとりの人間としてリアリティーをもって描き出し、聞くものを戦後の建築史絵巻に惹き込んだ。

 福山部会としてのはじめての企画でもあったが広島、岡山からも多数のJIA会員が参加し、午前中には鞆の浦の歴史的港町を見学する勉強会を開催し、懇親会においては盛んな情報交換が行われた。中国地方における地理的要所としての福山の存在意義、そして今後の活動の必要性を感じる実り多いセミナーであった。

(JIAアニュアルレポート2007より)